日経新聞ナナメ読み
2008/02/04
【9面】CSRへの取り組みは株価に転化できるのか
近年、CSR(企業の社会的責任)が大きな注目を浴びています。
企業が社会の中で果たすべき役割は実に多岐に及んでいます。付加価値のある商品・サービスの提供、雇用の創出、コンプライアンスの遵守などに始まり、地域社会への貢献、スポーツの振興支援、環境への配慮などもCSRの重要なテーマとして大きくクローズアップされるようになってきました。
そのような中、印刷大手の凸版印刷が新たなCSR活動に取り組むそうです。それが、自社の音楽ホールでチャリティコンサートを開催し、収益を発展途上国の識字率向上のために寄付するというもの。
この取り組みで特筆すべきは、「印刷」という文字の産業と、「識字率の向上」という目的感に親和性があるということ。ここに「どうせやるなら、社会にとっても、自社にとっても意義の大きなことを」という同社のスタンスが見え隠れします。
最近では、CSRに注力しているかどうかという観点から投資先の企業を選ぶ「CSRファンド」なども登場しています。しかし、CSRの持つ意味合いが広くなればなるほど、それが必ずしも企業の業績向上、ひいては株価と結びつかないのも事実なのです。
さて、凸版印刷の試みは、そんなCSRの憂いに新風を巻き起こすことができるでしょうか。2008年には、2年連続で「世界で最も持続可能な100社」に選出された同社。そんなCSRのリーディングカンパニーの新たな試みを温かく見守っていきたいと思います。
大竹のり子
ファイナンシャルプランナー。(株)エフピーウーマン代表取締役。
大学卒業後、出版社での編集者時代を経て独立。マネー関連の書籍や雑誌の執筆、講演、テレビやラジオへの出演を通じてお金の基本をわかりやすく啓蒙している。
女性ファイナンシャルプランナーの全国ネットワーク「FPwoman*Club」を主宰。
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